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生きてさえいれば絶望はない   社会福祉大会で金澤泰子氏の講演

 今日は大阪市社会福祉協議会主催の市社会福祉大会に行ってきました。

 市議会からの来賓は民生保健委員会の皆さん。私は該当しませんが、第2部の金澤泰子氏の講演をどうしても聞きたくてお願いして、第2部だけお邪魔しました。

 決算委員会や法定協議会が迫っていてバタバタで出にくくて、参加を躊躇もしましたが、ほんとうに行って良かった。

 娘・翔子さんがダウン症の告知を受けて、一緒に死のうと思った時から34年。「私は世界一可哀そうな母親だ」と日記にかいた氏が、いまでは世界一幸せな母親だと思えるようになったという、翔子さんとの来し方を淡々と話されました。

 学校とのトラブルなど、しんどいことに見舞われる度、いつもその時を過ごす手段は書だった。学校に行けずひたすら「般若心境」を書いた日々。通うはずだった作業所に、これまた学校とのトラブルで行かないと決め、とにかく一度だけ、この子の書を見せようと開いた個展が大反響となったこと。「闇の日がなければ、いまのように書家として生きる翔子はいなかった」と何度も言われました。

 翔子さんの書を見て涙を流す人がいたり、「死のうと思っていたけれど、翔子さんの書を見て思いとどまった」という手紙が来たりすることについて、なぜ翔子さんの書にはそんな力があるのか、と考え続けたと康子氏。たどりついた答えは、社会通念や競争のなかに自分を決しておかない翔子さんにとって、大事なことはただただ「みんなに喜んでもらいたい」しかない。その純度の高い魂が、そうした書につながるのだと。

 生まれた時、医者に「知能がなく歩くこともできないかもしれない」と言われた翔子さんが、いま、一人暮らし5年目。商店街の真ん中に住んで、商店街みんなに支えられながら、逆に地域を明るくして、地域になくてはならない存在になっている様子を、たくさんリアルに語られて、「世の中に不要なものはない」「どんな人にも尊厳がある」と。

 とても書ききれませんが、これほどの感動はそうそう味わえるものではないと思うほどのお話でした。
「生きてさえいれば絶望はない」これが結びの言葉でした。
企画された市社会福祉協議会にお礼を申し上げます。ありがとうございました。

 

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