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市民の力でひっくり返す!   大阪市つぶしの協定書可決

 大阪市廃止分割の法定協議会、その第35回目が19日に開かれました。節目の協議会となりました。
 コロナ禍で市民が苦しむなかで、11月1日に住民投票をするのだと、「協定書案」を起立採決。採決に先立って各会派5~10分の意見表明の時間があり、最後の機会かもしれないので、10分に近い原稿をつくり、今、皆さんが言いたいだろうことをできる限り盛り込みました。(法定協議会は着席での発言でマスクをしているので、ただ座っているように見えますが、力をこめて発言中の山中です)
 起立採決は、向かいの府会議員は全員起立。こちらの市会議員は自民の2人と私以外、全員起立。この力の差を、市民の皆さんと力合わせてひっくり返すやりがいある闘いが始まります。
 
いつもながらで恐縮ですが、発言原稿を投稿します。よろしければご覧ください。
 日本共産党の意見を述べさせていただきます。
 この間、3年間にわたって議論してきましたが、そもそもこの大阪市廃止分割構想は、大阪市をつぶして、財源・権限を大阪府に取り上げて、半人前の自治体である特別区をつくるというもので、地方分権の流れに逆行する時代錯誤、地方自治破壊の暴挙にほかなりません。
 そのうえ、特別区は、特別区設置のための初期コストや、分割にともなう毎年の経費の増大により、これまで大阪市として行ってきた市民サービスは、そのいくつかをカットせざるを得なくなるという市民にとっては踏んだり、蹴ったりとしかいいようがないもので、まさに〝百害あって一利なし〟です。
 しかも、今回の案では、北区以外はまともな庁舎を持てず、中之島庁舎に1510人もの職員を同居させることを前提にするなど、特別区や特別区民のことなどどうでもいい、といわんばかりのものであり、私たちは、この「協定書案」には反対だということを、あらためて申し上げておきます。
 加えて、今回、新型コロナという未曽有の感染症をうけて、いっそう、大阪市廃止、ましてや11月の住民投票などあり得ないという点を強調させていただきます。
 この間、市民は常に命の危険と隣りあわせという状況で過ごしてきました。いま現在、大阪においては、拡大がおさまっているとはいえ、いまなお、2波、3波の恐怖におびえるとともに、インバウンドの激減、休業、自粛等によるかつてないほどの経済の落ち込みのなかで、多くの方が暮らしの危機に直面しておられます。職や収入を失い、明日どうやって食べていこうか、とか、長年築いてこられたご商売をたたむしかないという方もたくさんおられます。感染を警戒しながらの学校生活が始まった子どもたちや、デイサービスや食事会など人との交流がなくなって戸惑う高齢者などの、体と心のケアもほんとうにたいへんです。皆さん、生きることに精一杯です。副首都推進局がおこなった意見募集でも、「今はやめてほしい」という意見が圧倒的だったことを、きちんと受け止めるべきです。しかも、集会や宣伝などについては制約が続き、内容をていねいに周知できるような環境にもないなかで住民投票をするなど理解に苦しみます。
 そのうえ、住民投票の対象となる「協定書案」は新型コロナ以前のものです。コロナ以前の国の経済成長率に基づく、大阪市の収支の動向を前提に財政シミュレーションを行い、「住民サ-ビスの維持に努める」と書き込むとか、大阪府からの配分を10年間は増額するとか説明していますが、新型コロナの影響で、市税収入は落ち込み、一方で休業補償、生活支援、景気対策で支出は増加し、大阪市の収支は大幅に悪化します。財政当局が、コロナの影響を踏まえた大阪市の中期的な収支の見通しはいつ出せるかわからないとしている通り、まったく先行きが見えないのに、コロナ以前の試算で、特別区の財政を説明するなど市民をだますようなものです。コロナの影響を踏まえた財政シミュレーションにもとづいて議論することなしに、住民投票はできないはずです。
 また、コロナ禍のもと、学校や地域などは、行事や交流をことごとく中止してきました。秋に向けて、感染の状況を考慮しながらも、運動会などの行事を行い絆を深めようとしています。そんな時に、住民投票で地域を分断するなどひどすぎると思いますし、「11月1日住民投票」をちらつかされて日程調整にも苦慮しておられます。市民を大切に思うなら、「住民投票は当分やらない」と表明するのが当然だと考えます。
 そして、いま、やるべきことは、必至だと言われている第2波の襲来に備えて、保健所機能や病院体制等を抜本的に拡充するとともに、市民や中小企業の、くらしや営業への支援等に、国・地方あげて全力で取り組むことだと考えます。今回の感染拡大のなかで、公衆衛生機能や医療体制がいかに不十分なものであるか明確になったことは誰も否定できません。減らされてしまった保健師さんなどの抜本的な増員や、医療体制の拡充は急務です。また、全国でも突出している財政調整基金も活用して、市民のくらしや中小企業の営業を支援することを市民は心から願っています。住民投票や、大阪市廃止・特別区設置に何百億円もかけるなど、もってのほかです。付け加えれば、夢洲開発やIR=カジノ誘致もストップしなければ財政が立ち行かなくなるのではないかと思いますし、ポストコロナの時代を見据えたとき、夢洲開発やカジノ誘致を、従来通り進めるべきなのか、ということも真剣に検討されるべきだと思います。
 最後に、大阪はコロナ対策がどこよりもうまくいった、司令塔を一元化したからだ、だからいま、大阪市廃止なんだ、この論についてです。
第1波に対する取り組み状況については、まだ途上ではありますが、国はもちろんのこと、それぞれの自治体ごとにいろいろな角度から真摯に検証を行うことが求められています。体制の問題、公衆衛生や医療の量の問題など、検証しなければなりませんが、体制については、もともと緊急事態宣言のもとでの様々な権限は知事ですから、知事が判断、発信することになるのは当然です。他の都道府県も、そうした役割分担はきちんとなされていただろうと思います。また、文字通り1人の指揮官状態である東京都は万々歳だったのかといえば、いまも多くの感染者が発生し、何かと批判も寄せられていることは周知の通りです。大阪も、前回もいいましたが、救急病院が受け入れを停止したり、熱があってもどこも診てくれなかったり、検査は非常に少なかったり、検証、反省しなければいけないことはたくさんあるわけです。手放しでうまくいった、うまくいった、と言い、それは一元化なんだと、なんでもかんでも都構想を礼賛するようなことはすべきではないと思います。医療や生活支援、営業支援の中身がどうなのか、中身の検証と拡充にこそ力を尽くすべきです。
 そういう意味で、私が、むしろ着目しているのは、他の自治体では、役割分担はあっても、基礎自治体・市町村も住民のいのちやくらしや営業を守るために独自の努力を懸命にしている、ということです。国や府の制度の対象にならない事業者に給付金の制度をつくったり、10万円の給付金に上乗せしたり、様々な形で、事業者支援、生活支援、文化への支援を実施しています。大阪市は、その点ではほんとうに貧弱だという批判は根強く、バーチャル都構想だか何だかしらないが、都構想になったら基礎自治体である特別区は市民のための仕事をしないということか、と言われた人もいます。
 繰り返しますが、いまやるべきことは、なんでもかんでも制度に結び付けて大阪市廃止に血道をあげることではなく、政令市大阪市としての力と役割を発揮して、公衆衛生機能と医療体制の強化、市民の営業とくらしの支援に全力をつくすべきだと申し上げ、日本共産党の意見といたします。