11日は大阪市会決算特別員会で質疑。持ち時間は1人50分で、日本共産党からは私1人だけ。課題はたくさんあるけれど、「カジノより防災・減災」をテーマに質疑しました。
「何がなんでもカジノ。万博までにカジノ」という異常なカジノ前のめりを批判し、背後に膨大な人口を抱える横浜が手をあげたとたん、大阪でのカジノを標榜する事業者が激減し横浜へと鞍替えしたことで、カジノのターゲットが国民であることがはっきりしたのではないか、と認識を聞きました。なにを聞いても、カジノについてはまったく触れず「世界に類をみないエンターテイメント」を有する「最高水準のIR」という絵空事を繰り返すIR推進局。きれいごとを並べても核はカジノ。何千億ものお金が、国民・市民の懐から消えてしまう上に、ギャンブル依存症を深刻にするカジノなど、地方自治体のすべきことではありません。
こんなムダな巨大開発はやめて、待ったなしの防災・減災に注力すべきです。湾岸部の防潮堤のかさ上げや、浸水対策などのハード面とともに、救える命をしっかり救うソフト面の備えについて質疑。日常的な活動も、発災時の避難や安否確認も、地域の力なくしてはできません。地域の皆さんは必死で頑張って下さっています。
その一例として、地元・城東区の鴫野地域活動協議会の取り組みを紹介。鴫野地活協作成の「防災マップ」は、地域の皆さんが実測された地盤高が書き込まれ、川より地盤が低いところはどこかが一目でわかるとともに、避難所や防災倉庫はもちろん、消火器・AED・防火栓・防火水槽・公衆電話などなどがどこにあるのか、車止めがあって行き止まりのところはそのカギがどこにあるか、どの防災倉庫には何が備蓄されているか、など、地域の防災上の情報がすべて盛り込まれています。
発災後、無事な方に自ら掲示していただくための「無事です」ステッカーを全戸に配布されていますが、これも、本当に必要な方の安否確認について真剣に考えられたからこその知恵です。要所要所の電柱には、想定浸水深のシールが貼られていますが、すべて地域の皆さんの取り組みです。
こうした地域からしっかり学び、地域任せにせず行政がやるべきことはもっとあります。同時に、大きな役割を担っていただく地域が、温度差もさまざまで、多くが疲弊しています。全国の自治体が、地域活動活性化のためにいろいろな模索をしています。東京特別区では、町会への支援を区の責務と定め、町会の事務に職員を従事させるなどの人的支援をする、などの条例をつくる区が出てきています。また、職員による地域担当制を重視して、思い切って職員を地域に張り付かせ、職員が地域とともに汗をかくことで、地域目線の自治体になっていく。そんな取り組みも増えています。
大阪市では、補助金と中間支援組織の仕組みだけつくり、後は完全に区任せです。この間の検証とともに、新たな模索をしなくては。私はかねがね、大都市・大阪で、地域と本気で向き合うために、1小学校区に1~2人の職員を配置して、地域と苦労をともにし、地域と行政をつなぐようなことをやってみるべきではないか、と考えています。そのことを提案し、大阪市をなくすことにかけているエネルギーを、そうしたことにこそ振り向けるべきだ、と申し上げ50分の質問を終えました。
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