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異例ですが、統一会派で臨時議会に臨みます

    コロナ対策に持てる力を使わねばならない時に、「大阪モデル」を何度も変えてまで住民投票を強行しようとし、話題作りのためにイソジン騒動まで引き起こす大阪の為政者。大阪市廃止の「協定書(案)」だけが議案となる臨時議会が迫っています。
    大阪市の存廃がかかった議会。少数会派にも代表質疑を、との要望は維新・公明によって拒否されましたが、維新・公明・自民のたった3会派だけの質疑では、有権者の負託に応えられないという思いは募るばかりでした。この間、一緒に要望してきた市民・第一のお二人も当然同じ思いで、相談を重ねてきました。
    「協定書(案)」だけが問題となる臨時会は、双方、完全に立場も考えも一致します。日本共産党(4人)と市民・第一(2人)が一緒になれば交渉会派となり代表質疑が行えます。手段があるのに手をこまねいている訳にはいかない、と、統一会派として臨時議会に臨むことに決め、今日、市民・第一の武直樹代表とともに記者会見を開かせていただきました。極めて異例ではありますが、これしかない!という思いです。
◆記者会見で配布した統一会派結成にあたってのご挨拶です。ご笑覧下さい。
 新型コロナウイルス感染症は「第2波」ともいうべき猛威をふるい、全国的にも、大阪でも、感染者数が増え続けています。市民の命を守るとともに生活や営業を少しでも安定させるためにあらゆる手立てをとることが、今ほど求められている時はありません。にもかかわらず、「大阪モデル」を赤信号が灯らないように変更してまで、住民投票を強行しようとする姿勢は、住民の命やくらしを危険にさらすものでさえあると言わざるを得ません。
 こうしたなかで予定されている臨時会は、大阪市の存廃だけでなく、市民の命を軽んずる市政のあり方を許していいのか、ということを、市民の皆さんにお考えいただくべき、非常に重い議会となっています。これほどの議案であるからこそ、非交渉会派にも質疑の機会を与えていただくよう要望してまいりましたが、一部の会派の反対で認められませんでした。議長からは「前例による」という説明でしたが、臨時会の代表質疑自体が前例のないものであるとともに、政令市の廃止・分割という文字通り前例のないことの判断を市民に迫ろうとしているのです。臨時会が迫る中、何とか多様な市民の声の反映を、という市民の皆さんの願いが両会派に寄せられ、互いにその道を探る中で、今回、統一会派としてこの臨時会に臨むことになりました。
 極めて異例ではありますが、有権者の皆さんの負託に応えるために力を合わせて、全力を尽くします。
日本共産党・市民とつながる・くらしが第一大阪市会議員団(共産・市民)
  代 表   武 直樹
  幹事長   山中智子

命が大事か、大阪市廃止が大事か    財政総務委員会

    大阪市会財政総務委員会。三密を避けるため、全委員会が一番広い特別委員会室で。そのために、質問時間が1人15分とかなり制限されて、まったく収まらず冷や汗をかく大失態。仕方ない、仕方ない。
      「コロナ禍が収束するまで大阪市・廃止分割はストップしてほしい」という趣旨の陳情がたくさん出されました。市民の皆さんの状況を考えても、また、現在の「協定書案」がコロナ以前の財政を前提にしていて、意味のない物になっていることからも、あまりにも当たり前の陳情です。命と暮らしが大事か、大阪市廃止が大事かという問いかけでもあります。
      何の躊躇もなく「この秋から冬に住民投票」「特別区の実現をめざす」と答弁する副首都推進局。驚き呆れて「人にすることではない」と批判しましたが、もっと驚いたのは、維新とともに公明党が、これらの陳情を不採択にし、否決したことです。この秋、住民投票でもいいということでしょうか。いくら何でもあり得ないと思うのです。

大阪市廃止は断念し、コロナ対応に総力を  大阪市に緊急要望

 日本共産党大阪市会議員団は、この間、新型コロナへの対応で各部署大変だろうし、議会で物が言えるからと、申し入れ等は控えてきました。が、議会が終わったいま、「緊急事態宣言」が出されたにもかかわらず出前協議会の強行など「黙ってはいられない」状況が。急遽、大阪市廃止・分割は断念し、大阪市の総力を感染防止とくらし・営業の支援にふり向けるよう、松井市長への申し入れを行いました。
 対応して下さった危機管理監、政策企画室長、健康局長は、異口同音にマンパワーの不足が一番の課題だ、と。市民のくらしや子育てもそうですが、行政組織も綱渡りの状況です。
 要望書は次の通りです。
大阪市廃止・分割構想を断念し、新型コロナウイルス対策に総力を挙げることを求める緊急要望
 新型コロナウイルス感染症拡大のもと、市民の命、くらし、営業防衛のためのご奮闘に心から敬意を表します。
 4月7日、政府は大阪府をはじめとする7都府県を対象とする「緊急事態宣言」を発令しました。現時点で、政府が感染の爆発的拡大を抑えるために、外出自粛の要請を強めるなどの措置をとることは当然だと考えます。
 しかしながら、同日開催された法定協議会代表者会議において、出前協議会を5月10日と12日に開催する意向が今井会長より示されました。市民に対しても外出の自粛を要請し、あらゆる会議やイベント等が中止となる中、そうした要請に全く相反するものであり、「市民の命・健康より、都構想を優先するのか。」という怒りの声が広がっています。
 未曽有の経済危機に直面し今後の税収悪化も免れない中、政令指定都市の廃止を進めれば、市民生活が立ち行かなくなることはいよいよ明白です。大阪市廃止・分割の議論をしている場合などではなく、新型コロナウイルス対策を最優先にし、大阪市としても総力を挙げてこの危機に対応するべきです。
 日本共産党大阪市会議員団は、以下について緊急に要望いたします。
                            記
1.くらし・営業に関して
① 「自粛と補償は一体」の立場で、各損害に対する補償を国に求めるとともに、本市独自の救済措置を講じること。また、貸付や給付などの支援制度についての周知徹底に努めること。
② 売り上げや収入の大幅な減少などで苦境に立つ市民の、国民健康保険料や介護保険料を緊急減免すること。また、徴収猶予を柔軟に行い、差し押さえは決して行わないこと。
また国に対して、「緊急経済対策」として行う国民健康保険料の免除等を使いやすいものにするよう要望するとともに、市として最大限活用すること。
③ 収入が減少した市営住宅入居者に対して、家賃減免等に柔軟に対応すること。
④ 「緊急資金」の融資条件の緩和、融資枠の拡充、申請受付や相談窓口を複数設置すること。
⑤ 小学校等の臨時休業に伴う「小学校休業等対応支援金」について、対象となる保護者とその雇用主に制度の周知を徹底すること。
2.教育、こどもに関して
① 休業については児童生徒の学習権を保障する立場から、休業の期間や休校中の学校のあり方など、学校現場の意見を充分聞いて判断すること。
② 学校休業中も出勤し続けている教職員、医療関係を含め働く保護者を支えるため開所している保育園の保育士や職員、学童保育の指導員や職員の健康に留意すること。
③ 保育園からの自宅待機要請を受けて休んだ場合、保育料だけでなく、給食費も徴収しない、または返金すること。
④ 学童保育の現場で困っていること、援助してほしいことのヒアリングを行い、現場の意見をしっかり聞いて援助をすること。
3.医療・公衆衛生行政に関して
① 公衆衛生を担う保健所の職員増員と補正による予算増額を行い、感染防止と収束に向けた対策を抜本的に強化すること。
② 「帰国者・接触者相談センター」の回線を大幅に増やすとともに、PCR検査体制を抜本的に強化すること。
4.報道について
① 市長の記者会見やお知らせの動画等では、障がい者にも正確な情報が伝わるよう手話通訳やテロップをつけ、ファックス・メール等での相談先を表示するなど配慮すること。
5.大阪市廃止・分割構想に関して
① 大阪市廃止・分割構想を断念すること。
② 副首都推進局を解散し、職員の力を新型コロナウイルス対策優先に傾注すること。
                                            以上

こんな予算でいいのですか?   予算市会閉会本会議

 ちょっとアップが遅れました。

 3月26日、予算を審議する議会が閉会しました。

 未曽有の感染症=新型コロナウイルスが、感染の恐怖だけでなく、くらしや経済に大きな脅威をもたらしているなか、新型コロナで苦しむ人たちの営業と生活の支援に全力を上げるべき時です。提案された予算案は、国民健康保険料は値上げし、カジノのための夢洲開発、高速道路=淀川左岸線、なにわ筋線など、不要・不急の巨大開発は予定通り進めるというもの。とんでもない予算案です。

 予算を組み替えてでも、市民の命とくらしと営業を守れ! 巨大開発も、大阪市つぶしもストップを! と論戦してきたこの議会。集大成となる予算への反対討論に立ちました。物凄く当たり前のことを言ったつもりですし、何人かの職員さんから「とっても良かった」の声もいただきましたが、こんな予算案に反対したのは日本共産党だけでした。

 悔しくて残念ですが、引き続き、抜本的な補正予算を組むなど、市民の命・くらし・営業を守る市政運営を求めて全力を尽くします。

 長いですが、討論原稿を掲載します。お時間がある時に、ご覧いただけたら幸いです。

私は日本共産党大阪市会議員団を代表して、2020年度大阪市一般会計等予算案に反対する討論を行います。

昨年の消費税増税による景気の悪化に加え、新型コロナウイルス感染症が感染の恐怖にとどまらず、日々の生活や経済にはかりしれない混乱と脅威をもたらしています。国や府ともども、何よりも感染の拡大を防止し、命を守ることに力を尽くすとともに、市民に一番近い自治体として、市民の困難に寄り添い、くらしと営業を守るためにあらゆる手立てをとることが求められています。

ところが、予算の修正まで行って学校給食の無償化には踏み切りながら、万博やカジノ誘致のための夢洲開発など不要・不急の巨大開発は予定通り推進し、一方で、現に仕事や収入を失い途方にくれる人たちや中小事業者への救済施策はまったくない。これではチグハグのそしりは免れず、とても市民の理解は得られません。また、世界的な感染症に直面し、医療や公衆衛生など多くの分野で公共の役割と責任があらためて問われているなかで、何でもかんでも民営化・統廃合という姿勢を変えようとしないことも、到底認められません。

以下、具体的に指摘いたします。

第一は、くらしや福祉、教育をめぐる市民の悲鳴にこたえるものとなっていないからです。

まず、国民健康保険料についてです。都道府県単位化が始まって以降の2年間は、激変緩和のための一般会計からの繰り入れを増額して据え置いてきましたが、今回は、3年ぶりに値上げを行うとしています。自営業やフリーランスの方など、新型コロナで打撃を受けている被保険者に、国保料の値上げなど、絶対にあってはならないと申し上げたい。

今回は、医療給付費の伸び3%に加えて、府内統一保険料率に向けた激変緩和措置の逓減分1.2%で計4.2%の値上げとのことですが、このまま唯々諾々と統一保険料率に向けて値上げを続けていいのかを、見直すべきだと思うのです。今でも、高すぎて、払いたくても払えないと悲鳴が上がり、払えなくなった人に対して、給与の差し押さえまで強行しているなかで、保険料が上がり続ければ、制度そのものが成り立たなくなるではありませんか。

本市は、この間、2017年度には143億円だった一般会計からの任意繰り入れを、年々大幅に減らしてきました。そして府内統一となる2024年度からは保険料軽減のための繰り入れは廃止という方向ですが、保険料率を決めるのはあくまでも市町村の権限です。市民の命と健康を守る立場から、府がなんといおうが、一般会計からの繰り入れなど、負担軽減のためのあらゆる手だてをとるべきです。 そして、現在新型コロナウイルスの緊急対策を検討している国にたいしては、5%もの値上げとなる後期高齢者医療保険料も含めて、思い切った社会保障費負担の軽減を打ち出すよう強く求めるべきだと申し上げておきます。

次に教育についてです。

いじめ、不登校などの問題が山積する中、今求められているのは、一人ひとりの顔がしっかり見える教育環境の整備であり、そのために現場が望んでいることは何よりも少人数学級と、教員の処遇改善です。

大阪府では、これまで「習熟度別指導」に限っていた加配教員について、市町村の判断で「35人を基準とした少人数学級編成」に当てることを認め、市町村が選択できることを方針として示しました。これは、少人数学級が、学力向上だけでなく、いじめ、不登校対策などに効果を発揮することを認めたものです。

大阪市でも、現状加配されている646人の先生たちを、習熟度別指導に限定せず少人数学級の担任としても配置するべきです。統廃合条例と揶揄される学校活性化条例改正で定められた、11クラス以下の過少校対策としても、無理やり統廃合するのではなく、少人数学級にしてクラス数を増やすことで対応してほしい、という強い声があります。当然の願いだと思いますが、教育委員会はあくまで習熟度別に固執する姿勢を崩そうとはしません。あまりにも頑迷です。

このように、一人ひとり向き合える教育環境を、との声には耳を傾けず、とにかくICTだと、これは国の方針でもありますが、ICT教育が特効薬だ、といわんばかりですが、これによって教員の多忙化や生徒とのコミュニケーション低下が起きるならば、本末転倒だと申し上げておきます。

チャレンジテストに関してですが、そもそも内申点は、「学力検査で把握できない学力や学力以外の生徒の個性を多面的にとらえたり、生徒の優れている点や長所を積極的に評価しこれを活用していくという趣旨のものです」と、文部科学省のHPにも示されているように、一人ひとりの日常の頑張りが評価されるべきものです。

その内申点を、点数での評価にすり替えるチャレンジテストは、年1回のテスト結果で、学校の内申点平均が決められ、学校の平均点が低ければ、頑張っている子にも良い成績をつけられない、いわゆる「団体戦」というひどい仕組みであることは周知の通りです。来年度はこれが、中学1年~3年の全学年で行われることになり、ますますひどい仕組みに変えられようとしています。

不公平で、各自の頑張りが反映されない「チャレンジテスト」への参加はきっぱりとやめるとともに、ただでさえテスト漬けの子どもたちにとって、さらなる負担となっている、大阪市版チャレンジテストplusもやめるべきです。

第二に、大阪市廃止ありきで、引き続き、事業や施設の民営化や統廃合を強行しようとしているからです。

まず保育所についてですが、本市の保育所待機児童の中で、障害児や医療的ケアを必要とする児童が9割と突出して多いことが波紋を広げています。どんどんと民営化を進めてきたことも大きな原因なのに、民営化方針を見直そうともせず、人件費補助の増額などでお茶を濁すやり方には、子どもの命や成長への責任感が見受けられず、残念でなりません。公立は公立としての役割をしっかりと果たすべきですし、何よりも、公民ともに、保育士の確保が肝要です。資格をもたない保育支援者の体制強化に走るのではなく、保育士たちが長く働き、十分な経験を積んでいけるように、処遇改善と職場環境の改善を、推進していくべきです。なお、今回、「保育士働き方改革推進事業」において、子育て支援員の雇用が必須条件に付されていることは、認可保育所における保育士加配に大きな制約となるため問題であると指摘いたします。

水道事業についても、市民生活に不可欠なライフラインである管路の更新を、民間に任せてしまうPFIをあくまで推進しようとしています。管路耐震化の倍速化などとしていますが、どう考えても眉唾です。結局、技術者不足など困難な課題の解決から逃げ出して、民間に丸投げしようとしているだけではありませんか。この間、公共事業をめぐって不適正と言われる事案が相次いでいます。“命の水”に何かあったら、市民生活は立ち行きません。「安全な水を安定的に供給する仕事は公営でこそ」こう願う市民の声に背を向けるPFIは断じて認められません。

天王寺動物園も、採用凍結による飼育員の高齢化や、補助金削減による獣舎の老朽化などについて、大阪市の責任は棚上げにして、独法化すれば解決するかのような安易さで、市民のレクレーションの保障のみならず、環境教育・種の保存・調査研究という動物園の持つ重大な使命を果たせるとはとても思えません。

府大と市大の統合についても、2022年度に新大学開学ありきで、学部集約やキャンパス整備は後追いで進めるという逆立ちしたスケジュールに、大学統合議論に内発性のかけらもないことが如実に表れています。唐突な提案から、森之宮にメインキャンパスを整備する方向で巨費が投じられようとしていますが、大学の将来を真剣に考えての案とは到底思えません。

いま、新型コロナウイルス感染症をめぐって、公衆衛生、医療、教育、保育などさまざまな分野で、現在の体制では対応できず、市民の健康や生活に大きな不安と混乱がもたらされることが明らかとなりました。やれ〝二重行政の解消だ〟、やれ〝民間でできることは民間で〟と、乱暴な統合・廃止・民営化で突っ走ってきたことを見つめ直すべき時です。公立病院の廃止、環境科学研究所の府との統合と地方独立行政法人化などが、今回の、PCR検査や感染者の行動履歴調査、濃厚接触者の特定、健康観察などにどんな影響を与えたのかをきちんと分析し、保健所機能と職員体制の強化に努めるとともに、大阪健康安全基盤研究所については、府・市それぞれの直営に戻すことを含めて、あるべき姿を検討することこそ求められていると申し上げておきます。

第三に、いつか来た道とも言うべき大型開発が目白押しであるなど、大阪市の行く末を誤ろうとしているからです。

本市は、かつて、景気の動向におかまいなしに様々な大型開発を行い、莫大な借金を抱え込み、市民サービスの切り捨てや職員削減など、市民と職員に大きな犠牲を強いてきました。ようやく市債を減らし、市財政にささやかながら明るいきざしが見えてきています。二度と再び、あんな失敗を繰り返してはなりません。

ところが、本予算案は、夢洲開発、なにわ筋線、淀川左岸線、うめきた2期事業など大型開発が本格化し、増嵩していく市債が、またぞろ市財政を圧迫しかねないものとなっています。リーマンショック以上の景気悪化が危惧されるなか、まさに不要・不急の大型開発はストップしなければ、かつてと同じ轍を踏むことになりかねません。

なかでも、カジノ誘致のための夢洲開発についてです。国が基本方針の策定を先送りしているにもかかわらず、大阪府・市は実施方針案を早々と策定した上、IR事業者による35年もの長期に渡る事業期間を設定しているだけでなく、自治体側の都合で契約の解除を事業者に通告した場合、自治体側が賠償リスクを負うことまで銘記されているのであり、IR誘致への執着ぶりは異常極まりないと言わなければなりません。大阪での事業を望む事業者が1者しかないなかで、ますます、事業者の言いなりになって、インフラ整備などへの公費負担がどれだけ膨らむかわかったものではありません。第一、いま、国も、そして市民のくらしもカジノどころではありません。一人、大阪府・市だけがカジノ誘致にしがみつき、夢洲開発を進めるようなことをすれば世間の笑い者です。IR誘致はキッパリと断念し、夢洲開発も中止するべきです。

なにわ筋線もいよいよ本格化しますが、わずか5分の短縮のために、総事業費3300億円をつぎ込むことは愚の骨頂であり、計画そのものを見直すべきです。淀川左岸線もしかりです。こんな不要・不急の大型開発に巨費をつぎこんでいる時ではありません。

同時に、大阪市つぶし・特別区設置の作業や議論も取りやめにすべきです。失業、倒産、内定取り消し、雇い止め、売り上げの激減など、生きることに必死な人たちにとっては、協定書の中身どころではありません。こんな時にあくまで11月の住民投票に固執するなど、市民不在の極みです。

今やるべきは、新型コロナウィルスで先行きがまったく見えない苦境にある人たちへの思い切った生活支援・営業支援です。「緊急資金」の融資条件の緩和、融資枠の拡充、申請受付や相談窓口の複数設置など経営危機に直面している中小業者への支援をはじめ、国民健康保険料や介護保険料の値下げなどなど、予算を組み替えてでも、市民の命・くらし・営業を守ることに全力をつくすよう申し上げ、予算案への反対の討論といたします。

〝いつか来た道〟 戻ってはならない      予算委員会

大阪市会は予算市会の最中です
9日は、財政総務委員会で1時間の質疑を行いました。柱は3本です。
①今後の財政運営について
消費税増税に加え、コロナウイルス感染症で先が見えないほどの経済悪化のなか、夢洲開発・高速道路など巨大開発を突き進もうとしている大阪市。
かつてバブル崩壊などによる税収の落ち込みのなか、ベイエリアや阿倍野再開発などの巨大開発にのめりこんで味わった借金地獄を忘れたのでしょうか。借金返しのために、「市民サービス切り捨て」「貴重な土地の売り飛ばし」「職員数と給与のカット」など市民と職員に犠牲を強いて、しのいでしのいでやっといま、借金返しのピークをこえました。財政に少し明るさが見え、大阪市の持つ大きな力を、自治体本来の仕事にしっかりと振り向けられる可能性が出てきています。
リーマンショックを超える景気悪化、と言われる中で巨大開発を続ければ、借金地獄の〝いつか来た道〟です。しかも、もうめぼしい土地も残っていない、これ以上職員は減らせない、市民サービスもすでに削りに削ってしまっている(塾代助成など肝入り施策は別ですが)・・・かつてのような〝金策〟さえできません。
〝いつか来た道〟を戻るわけには絶対にいかない。巨大開発をやめるとともに、もう不毛な制度いじりの場合でもありません、大阪市つぶしの議論や作業も打ち切るよう求めました。
②未利用地の「原則売却」方針について
市有地は市民の貴重な財産。しかも、代わりのきかないものです。かつては簡単には手放しませんでした。財政悪化の中で「原則売却」となり、一等地もなにもどんどん売り飛ばしました。中心部の学校を廃止して跡地を売って、タワーマンションが林立して学校不足、運動場不足という事態も引き起こしています。借金返しのピークが終わり財政に明るい兆しさえみえるなか、「原則売却」は見直すべきです。
③副首都推進局に
広報誌やホームページをつかった「特別区設置(大阪市つぶし)」の広報があまりに恣意的。まるで維新の広報。行政として酷すぎることを批判するとともに、永住外国人の方の住民投票投票権付与のために、大阪市も声を上げることを求めました。

決めるのは市民です。   31回法定協議会

 第31回法定協議会。「特別区設置協定書(案)の作成に向けた基本的方向性について」を起立採決。維新の会と公明党の賛成多数で可決。方向性の採決っていったい何なんでしょう。決まったかのように見せかけて、今後の議論を封じようということでしょうか。決めるのは市民です。

採決に先立つ各会派の意見表明で、あらためて私たちが「大阪市廃止・分割は百害あって一利なし」だと思う理由を述べ、仮に住民投票が実施されれば、広範な市民の皆さんと力を合わせて否決し、ピリオドを打つために全力をあげる!と結びました。

 午後は市役所に戻って、高校生の皆さんとの意見交換会。大阪市会として今年で3回目になる取り組みです。
維新の議員2人と私とのグループで、4人の高校生とで100分間にわたって意見交換。
 「都構想について」の質問は、維新の議員と私とは真逆の意見ですが、お互いに冷静に、考えを伝えたつもりです。
 環境の問題、若者の投票率、いじめの問題、働き方改革などなど、ものすごくたくさんの問題意識が飛び出して、あれこれやりとり。
 あっという間の100分でした。頼もしい高校生の皆さん。抱いている問題意識を、周囲の人にもどんどん広げてほしいです。
法定協議会での意見表明をアップしておきます。

この間、30回にわたる法定協議会での議論を通じて、大阪市廃止・分割、いわゆる都構想なるものが、時代錯誤の代物であり、いかに市民にとって有害無益なものであるかが、よりはっきりしたと思います。

 そもそも都構想とは、ただただ大阪市を廃止して、市の持つ財源・権限を府に取り上げるものにほかならない。ここに本質があります。

それは、かつて橋下徹氏が、知事を辞職して市長選挙に出馬する際、「大阪市をぶっ潰す」と繰り返したことに象徴されていますが、この間の議論で、まさに、特別区や特別区民がどうなるかなどはどうでもよく、大阪市をつぶすことがすべてだということが、いっそう、はっきりしたということです。

 あらためてですが、国から地方へ、府県から基礎自治体への地方分権、権限移譲の流れの中で、当然、全国の基礎自治体がより権限の獲得・拡充につとめ、今や政令市は20市にも及ぶとともに、中核市も全国58市に達していることは申し上げるまでもありません。

こういうなかで、こともあろうに人口規模で全国第二の政令市をとりつぶすなどということは、地方分権の流れに逆行する最悪の地方自治破壊の暴挙と言わざるを得ません。

 すなわち、「広域的」というレッテルを貼って、大阪城や天王寺動物園、鶴見緑地、長居競技場など貴重な財産とともに、消防や水道や下水道などと言った基礎自治体本来の業務までも含む428もの事務事業を府に移管して、組織としては巨大な大大阪府ができあがりますが、個々の事業の権限や予算が増えるわけではありませんから、充実するわけでもなんでもなく、何ら府民にとってプラスにはなりません。それどころか、大阪府内全体の広域行政に責任を負うべき大阪府が、大阪市域のみに限定される消防、水道、下水などの基礎自治体の事務事業まで担うことになるという、非常にいびつな体制ができあがるということです。

 もとより、このような制度いじりで大阪の成長や活性化がはかられるものではなく、ましてや府と市が並立しているゆえに発展しないなどと言うのは、全く根拠がありません。そんなことを言えば、横浜も名古屋も京都市も神戸もつぶさなくてはならないという理屈になってしまいます。

 一方、大阪市をなくして4つに分割して設置される特別区たるや、平均67万人と、堺市を除く府内のどの自治体よりも大きな基礎自治体であるにもかかわらず、市町村の基幹税目である固定資産税や法人市民税等を府にもっていかれるとともに、地方交付税すら直接あたらないなど、極めて自主財源が乏しいうえに、自ら水道・下水道などの事業も運営することもできなければ、消防組織も持てないという、まさに一般市にも満たない“半人前の自治体”に成り下がるということです。

 そのうえ、330人の職員増や、住基ネット等のシステムの改修とその運用経費の増など、市民にとって全く無駄な費用が発生するわけで、いきおい住民サービス等は削らざるを得なくなるということです。

 まさに踏んだり蹴ったりで、たとえ、大阪府から毎年20億円10年間補填されたとしても、コスト増の穴埋めはできないし、ましてやいくら住民サービスは維持するものとする、などと協定書に書いたとしても、特別区としては、ない袖は振れないということになります。

 加えて、なすべき庁舎建設も行わず、各区役所などに職員を詰め込んだうえ、なお、入りきれない職員を中之島庁舎に配置し、都合3つの特別区の職員を同居させる、間借りの合同庁舎などというに至ってはもはや何をかいわんやだと申し上げたい。

 災害時どうするのか、日常業務ができるのか、ということもありますし、住民はいったいどこへ行けば目的が果たせるのか右往左往しなくてはならなくなります。地方自治体の職員は、住民とともにあるべきなのに、その自治体に住んでもいなければ通勤もしない、その自治体を通ることもなく暮らしている。そんなことで、地域の問題点や住民の願いや思いがわかるはずがないと思います。 

 そのうえ、特別区議会議員の定数も、現行市会定数の83にとどめるという始末で、中核市や東京特別区の3分の1以下なわけですから、区民の声を区政に反映しづらくなるということにほかなりません。結局、住民サービスを維持できなくなることといい、自前の庁舎をもてないことといい、二元代表制のもと、一方の区民代表である議員の定数が少なすぎることいい、もろもろ、ニア・イズ・ベターは看板倒れどころか、地方自治体の体すらなしていないと言わなくてはなりません。

 尚、東京特別区がせめて一般市にと長年、運動し続けていることを想起すべきと申し上げておきます。

 最後に、大阪都構想すなわち、大阪市を廃止し、4つの特別区に分割することは、まさに百害あって一利なしです。仮に住民投票が実施されたとしても、党派を超えた幅広い多数の市民の皆さんと力を合わせ、キッパリと否決して、文字通りピリオドを打つために全力をあげることを表明して、“方向性”への反対といたします。