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市民の力でひっくり返す!   大阪市つぶしの協定書可決

 大阪市廃止分割の法定協議会、その第35回目が19日に開かれました。節目の協議会となりました。
 コロナ禍で市民が苦しむなかで、11月1日に住民投票をするのだと、「協定書案」を起立採決。採決に先立って各会派5~10分の意見表明の時間があり、最後の機会かもしれないので、10分に近い原稿をつくり、今、皆さんが言いたいだろうことをできる限り盛り込みました。(法定協議会は着席での発言でマスクをしているので、ただ座っているように見えますが、力をこめて発言中の山中です)
 起立採決は、向かいの府会議員は全員起立。こちらの市会議員は自民の2人と私以外、全員起立。この力の差を、市民の皆さんと力合わせてひっくり返すやりがいある闘いが始まります。
 
いつもながらで恐縮ですが、発言原稿を投稿します。よろしければご覧ください。
 日本共産党の意見を述べさせていただきます。
 この間、3年間にわたって議論してきましたが、そもそもこの大阪市廃止分割構想は、大阪市をつぶして、財源・権限を大阪府に取り上げて、半人前の自治体である特別区をつくるというもので、地方分権の流れに逆行する時代錯誤、地方自治破壊の暴挙にほかなりません。
 そのうえ、特別区は、特別区設置のための初期コストや、分割にともなう毎年の経費の増大により、これまで大阪市として行ってきた市民サービスは、そのいくつかをカットせざるを得なくなるという市民にとっては踏んだり、蹴ったりとしかいいようがないもので、まさに〝百害あって一利なし〟です。
 しかも、今回の案では、北区以外はまともな庁舎を持てず、中之島庁舎に1510人もの職員を同居させることを前提にするなど、特別区や特別区民のことなどどうでもいい、といわんばかりのものであり、私たちは、この「協定書案」には反対だということを、あらためて申し上げておきます。
 加えて、今回、新型コロナという未曽有の感染症をうけて、いっそう、大阪市廃止、ましてや11月の住民投票などあり得ないという点を強調させていただきます。
 この間、市民は常に命の危険と隣りあわせという状況で過ごしてきました。いま現在、大阪においては、拡大がおさまっているとはいえ、いまなお、2波、3波の恐怖におびえるとともに、インバウンドの激減、休業、自粛等によるかつてないほどの経済の落ち込みのなかで、多くの方が暮らしの危機に直面しておられます。職や収入を失い、明日どうやって食べていこうか、とか、長年築いてこられたご商売をたたむしかないという方もたくさんおられます。感染を警戒しながらの学校生活が始まった子どもたちや、デイサービスや食事会など人との交流がなくなって戸惑う高齢者などの、体と心のケアもほんとうにたいへんです。皆さん、生きることに精一杯です。副首都推進局がおこなった意見募集でも、「今はやめてほしい」という意見が圧倒的だったことを、きちんと受け止めるべきです。しかも、集会や宣伝などについては制約が続き、内容をていねいに周知できるような環境にもないなかで住民投票をするなど理解に苦しみます。
 そのうえ、住民投票の対象となる「協定書案」は新型コロナ以前のものです。コロナ以前の国の経済成長率に基づく、大阪市の収支の動向を前提に財政シミュレーションを行い、「住民サ-ビスの維持に努める」と書き込むとか、大阪府からの配分を10年間は増額するとか説明していますが、新型コロナの影響で、市税収入は落ち込み、一方で休業補償、生活支援、景気対策で支出は増加し、大阪市の収支は大幅に悪化します。財政当局が、コロナの影響を踏まえた大阪市の中期的な収支の見通しはいつ出せるかわからないとしている通り、まったく先行きが見えないのに、コロナ以前の試算で、特別区の財政を説明するなど市民をだますようなものです。コロナの影響を踏まえた財政シミュレーションにもとづいて議論することなしに、住民投票はできないはずです。
 また、コロナ禍のもと、学校や地域などは、行事や交流をことごとく中止してきました。秋に向けて、感染の状況を考慮しながらも、運動会などの行事を行い絆を深めようとしています。そんな時に、住民投票で地域を分断するなどひどすぎると思いますし、「11月1日住民投票」をちらつかされて日程調整にも苦慮しておられます。市民を大切に思うなら、「住民投票は当分やらない」と表明するのが当然だと考えます。
 そして、いま、やるべきことは、必至だと言われている第2波の襲来に備えて、保健所機能や病院体制等を抜本的に拡充するとともに、市民や中小企業の、くらしや営業への支援等に、国・地方あげて全力で取り組むことだと考えます。今回の感染拡大のなかで、公衆衛生機能や医療体制がいかに不十分なものであるか明確になったことは誰も否定できません。減らされてしまった保健師さんなどの抜本的な増員や、医療体制の拡充は急務です。また、全国でも突出している財政調整基金も活用して、市民のくらしや中小企業の営業を支援することを市民は心から願っています。住民投票や、大阪市廃止・特別区設置に何百億円もかけるなど、もってのほかです。付け加えれば、夢洲開発やIR=カジノ誘致もストップしなければ財政が立ち行かなくなるのではないかと思いますし、ポストコロナの時代を見据えたとき、夢洲開発やカジノ誘致を、従来通り進めるべきなのか、ということも真剣に検討されるべきだと思います。
 最後に、大阪はコロナ対策がどこよりもうまくいった、司令塔を一元化したからだ、だからいま、大阪市廃止なんだ、この論についてです。
第1波に対する取り組み状況については、まだ途上ではありますが、国はもちろんのこと、それぞれの自治体ごとにいろいろな角度から真摯に検証を行うことが求められています。体制の問題、公衆衛生や医療の量の問題など、検証しなければなりませんが、体制については、もともと緊急事態宣言のもとでの様々な権限は知事ですから、知事が判断、発信することになるのは当然です。他の都道府県も、そうした役割分担はきちんとなされていただろうと思います。また、文字通り1人の指揮官状態である東京都は万々歳だったのかといえば、いまも多くの感染者が発生し、何かと批判も寄せられていることは周知の通りです。大阪も、前回もいいましたが、救急病院が受け入れを停止したり、熱があってもどこも診てくれなかったり、検査は非常に少なかったり、検証、反省しなければいけないことはたくさんあるわけです。手放しでうまくいった、うまくいった、と言い、それは一元化なんだと、なんでもかんでも都構想を礼賛するようなことはすべきではないと思います。医療や生活支援、営業支援の中身がどうなのか、中身の検証と拡充にこそ力を尽くすべきです。
 そういう意味で、私が、むしろ着目しているのは、他の自治体では、役割分担はあっても、基礎自治体・市町村も住民のいのちやくらしや営業を守るために独自の努力を懸命にしている、ということです。国や府の制度の対象にならない事業者に給付金の制度をつくったり、10万円の給付金に上乗せしたり、様々な形で、事業者支援、生活支援、文化への支援を実施しています。大阪市は、その点ではほんとうに貧弱だという批判は根強く、バーチャル都構想だか何だかしらないが、都構想になったら基礎自治体である特別区は市民のための仕事をしないということか、と言われた人もいます。
 繰り返しますが、いまやるべきことは、なんでもかんでも制度に結び付けて大阪市廃止に血道をあげることではなく、政令市大阪市としての力と役割を発揮して、公衆衛生機能と医療体制の強化、市民の営業とくらしの支援に全力をつくすべきだと申し上げ、日本共産党の意見といたします。

「住民投票、今じゃない!」の声を無視   法定協議会  

 第34回法定協議会。
 コロナ禍の最中に行われた「大阪市廃止についての意見募集」の報告がありました。有権者220万人余のなかで、寄せられた意見は888件。0.04%。そして圧倒的な意見は「今ではない」!。
 「コロナ禍のなかで大都市制度など考えられない」「コロナ対策をしてほしい」「財政シミュレーションをやり直してから」・・・当然です。「この声に従うべきだ」という意見表明に対して、「市民が言うならともかく、議員がこんなことに同調するのは残念だ」と松井市長。市民の思いに寄り添わず、2波、3波は確実だといい、大阪マラソンは中止しながら、11月1日住民投票にしがみつく党利党略こそ残念です。
 次回19日に協定書案を起立採決するとのこと。議会や法定協議会の数は余りにも多勢に無勢。市民の力で押し返すしかありません。

命が大事か、大阪市廃止が大事か    財政総務委員会

    大阪市会財政総務委員会。三密を避けるため、全委員会が一番広い特別委員会室で。そのために、質問時間が1人15分とかなり制限されて、まったく収まらず冷や汗をかく大失態。仕方ない、仕方ない。
      「コロナ禍が収束するまで大阪市・廃止分割はストップしてほしい」という趣旨の陳情がたくさん出されました。市民の皆さんの状況を考えても、また、現在の「協定書案」がコロナ以前の財政を前提にしていて、意味のない物になっていることからも、あまりにも当たり前の陳情です。命と暮らしが大事か、大阪市廃止が大事かという問いかけでもあります。
      何の躊躇もなく「この秋から冬に住民投票」「特別区の実現をめざす」と答弁する副首都推進局。驚き呆れて「人にすることではない」と批判しましたが、もっと驚いたのは、維新とともに公明党が、これらの陳情を不採択にし、否決したことです。この秋、住民投票でもいいということでしょうか。いくら何でもあり得ないと思うのです。

大阪市廃止は断念し、コロナ対応に総力を  大阪市に緊急要望

 日本共産党大阪市会議員団は、この間、新型コロナへの対応で各部署大変だろうし、議会で物が言えるからと、申し入れ等は控えてきました。が、議会が終わったいま、「緊急事態宣言」が出されたにもかかわらず出前協議会の強行など「黙ってはいられない」状況が。急遽、大阪市廃止・分割は断念し、大阪市の総力を感染防止とくらし・営業の支援にふり向けるよう、松井市長への申し入れを行いました。
 対応して下さった危機管理監、政策企画室長、健康局長は、異口同音にマンパワーの不足が一番の課題だ、と。市民のくらしや子育てもそうですが、行政組織も綱渡りの状況です。
 要望書は次の通りです。
大阪市廃止・分割構想を断念し、新型コロナウイルス対策に総力を挙げることを求める緊急要望
 新型コロナウイルス感染症拡大のもと、市民の命、くらし、営業防衛のためのご奮闘に心から敬意を表します。
 4月7日、政府は大阪府をはじめとする7都府県を対象とする「緊急事態宣言」を発令しました。現時点で、政府が感染の爆発的拡大を抑えるために、外出自粛の要請を強めるなどの措置をとることは当然だと考えます。
 しかしながら、同日開催された法定協議会代表者会議において、出前協議会を5月10日と12日に開催する意向が今井会長より示されました。市民に対しても外出の自粛を要請し、あらゆる会議やイベント等が中止となる中、そうした要請に全く相反するものであり、「市民の命・健康より、都構想を優先するのか。」という怒りの声が広がっています。
 未曽有の経済危機に直面し今後の税収悪化も免れない中、政令指定都市の廃止を進めれば、市民生活が立ち行かなくなることはいよいよ明白です。大阪市廃止・分割の議論をしている場合などではなく、新型コロナウイルス対策を最優先にし、大阪市としても総力を挙げてこの危機に対応するべきです。
 日本共産党大阪市会議員団は、以下について緊急に要望いたします。
                            記
1.くらし・営業に関して
① 「自粛と補償は一体」の立場で、各損害に対する補償を国に求めるとともに、本市独自の救済措置を講じること。また、貸付や給付などの支援制度についての周知徹底に努めること。
② 売り上げや収入の大幅な減少などで苦境に立つ市民の、国民健康保険料や介護保険料を緊急減免すること。また、徴収猶予を柔軟に行い、差し押さえは決して行わないこと。
また国に対して、「緊急経済対策」として行う国民健康保険料の免除等を使いやすいものにするよう要望するとともに、市として最大限活用すること。
③ 収入が減少した市営住宅入居者に対して、家賃減免等に柔軟に対応すること。
④ 「緊急資金」の融資条件の緩和、融資枠の拡充、申請受付や相談窓口を複数設置すること。
⑤ 小学校等の臨時休業に伴う「小学校休業等対応支援金」について、対象となる保護者とその雇用主に制度の周知を徹底すること。
2.教育、こどもに関して
① 休業については児童生徒の学習権を保障する立場から、休業の期間や休校中の学校のあり方など、学校現場の意見を充分聞いて判断すること。
② 学校休業中も出勤し続けている教職員、医療関係を含め働く保護者を支えるため開所している保育園の保育士や職員、学童保育の指導員や職員の健康に留意すること。
③ 保育園からの自宅待機要請を受けて休んだ場合、保育料だけでなく、給食費も徴収しない、または返金すること。
④ 学童保育の現場で困っていること、援助してほしいことのヒアリングを行い、現場の意見をしっかり聞いて援助をすること。
3.医療・公衆衛生行政に関して
① 公衆衛生を担う保健所の職員増員と補正による予算増額を行い、感染防止と収束に向けた対策を抜本的に強化すること。
② 「帰国者・接触者相談センター」の回線を大幅に増やすとともに、PCR検査体制を抜本的に強化すること。
4.報道について
① 市長の記者会見やお知らせの動画等では、障がい者にも正確な情報が伝わるよう手話通訳やテロップをつけ、ファックス・メール等での相談先を表示するなど配慮すること。
5.大阪市廃止・分割構想に関して
① 大阪市廃止・分割構想を断念すること。
② 副首都推進局を解散し、職員の力を新型コロナウイルス対策優先に傾注すること。
                                            以上

こんな予算でいいのですか?   予算市会閉会本会議

 ちょっとアップが遅れました。

 3月26日、予算を審議する議会が閉会しました。

 未曽有の感染症=新型コロナウイルスが、感染の恐怖だけでなく、くらしや経済に大きな脅威をもたらしているなか、新型コロナで苦しむ人たちの営業と生活の支援に全力を上げるべき時です。提案された予算案は、国民健康保険料は値上げし、カジノのための夢洲開発、高速道路=淀川左岸線、なにわ筋線など、不要・不急の巨大開発は予定通り進めるというもの。とんでもない予算案です。

 予算を組み替えてでも、市民の命とくらしと営業を守れ! 巨大開発も、大阪市つぶしもストップを! と論戦してきたこの議会。集大成となる予算への反対討論に立ちました。物凄く当たり前のことを言ったつもりですし、何人かの職員さんから「とっても良かった」の声もいただきましたが、こんな予算案に反対したのは日本共産党だけでした。

 悔しくて残念ですが、引き続き、抜本的な補正予算を組むなど、市民の命・くらし・営業を守る市政運営を求めて全力を尽くします。

 長いですが、討論原稿を掲載します。お時間がある時に、ご覧いただけたら幸いです。

私は日本共産党大阪市会議員団を代表して、2020年度大阪市一般会計等予算案に反対する討論を行います。

昨年の消費税増税による景気の悪化に加え、新型コロナウイルス感染症が感染の恐怖にとどまらず、日々の生活や経済にはかりしれない混乱と脅威をもたらしています。国や府ともども、何よりも感染の拡大を防止し、命を守ることに力を尽くすとともに、市民に一番近い自治体として、市民の困難に寄り添い、くらしと営業を守るためにあらゆる手立てをとることが求められています。

ところが、予算の修正まで行って学校給食の無償化には踏み切りながら、万博やカジノ誘致のための夢洲開発など不要・不急の巨大開発は予定通り推進し、一方で、現に仕事や収入を失い途方にくれる人たちや中小事業者への救済施策はまったくない。これではチグハグのそしりは免れず、とても市民の理解は得られません。また、世界的な感染症に直面し、医療や公衆衛生など多くの分野で公共の役割と責任があらためて問われているなかで、何でもかんでも民営化・統廃合という姿勢を変えようとしないことも、到底認められません。

以下、具体的に指摘いたします。

第一は、くらしや福祉、教育をめぐる市民の悲鳴にこたえるものとなっていないからです。

まず、国民健康保険料についてです。都道府県単位化が始まって以降の2年間は、激変緩和のための一般会計からの繰り入れを増額して据え置いてきましたが、今回は、3年ぶりに値上げを行うとしています。自営業やフリーランスの方など、新型コロナで打撃を受けている被保険者に、国保料の値上げなど、絶対にあってはならないと申し上げたい。

今回は、医療給付費の伸び3%に加えて、府内統一保険料率に向けた激変緩和措置の逓減分1.2%で計4.2%の値上げとのことですが、このまま唯々諾々と統一保険料率に向けて値上げを続けていいのかを、見直すべきだと思うのです。今でも、高すぎて、払いたくても払えないと悲鳴が上がり、払えなくなった人に対して、給与の差し押さえまで強行しているなかで、保険料が上がり続ければ、制度そのものが成り立たなくなるではありませんか。

本市は、この間、2017年度には143億円だった一般会計からの任意繰り入れを、年々大幅に減らしてきました。そして府内統一となる2024年度からは保険料軽減のための繰り入れは廃止という方向ですが、保険料率を決めるのはあくまでも市町村の権限です。市民の命と健康を守る立場から、府がなんといおうが、一般会計からの繰り入れなど、負担軽減のためのあらゆる手だてをとるべきです。 そして、現在新型コロナウイルスの緊急対策を検討している国にたいしては、5%もの値上げとなる後期高齢者医療保険料も含めて、思い切った社会保障費負担の軽減を打ち出すよう強く求めるべきだと申し上げておきます。

次に教育についてです。

いじめ、不登校などの問題が山積する中、今求められているのは、一人ひとりの顔がしっかり見える教育環境の整備であり、そのために現場が望んでいることは何よりも少人数学級と、教員の処遇改善です。

大阪府では、これまで「習熟度別指導」に限っていた加配教員について、市町村の判断で「35人を基準とした少人数学級編成」に当てることを認め、市町村が選択できることを方針として示しました。これは、少人数学級が、学力向上だけでなく、いじめ、不登校対策などに効果を発揮することを認めたものです。

大阪市でも、現状加配されている646人の先生たちを、習熟度別指導に限定せず少人数学級の担任としても配置するべきです。統廃合条例と揶揄される学校活性化条例改正で定められた、11クラス以下の過少校対策としても、無理やり統廃合するのではなく、少人数学級にしてクラス数を増やすことで対応してほしい、という強い声があります。当然の願いだと思いますが、教育委員会はあくまで習熟度別に固執する姿勢を崩そうとはしません。あまりにも頑迷です。

このように、一人ひとり向き合える教育環境を、との声には耳を傾けず、とにかくICTだと、これは国の方針でもありますが、ICT教育が特効薬だ、といわんばかりですが、これによって教員の多忙化や生徒とのコミュニケーション低下が起きるならば、本末転倒だと申し上げておきます。

チャレンジテストに関してですが、そもそも内申点は、「学力検査で把握できない学力や学力以外の生徒の個性を多面的にとらえたり、生徒の優れている点や長所を積極的に評価しこれを活用していくという趣旨のものです」と、文部科学省のHPにも示されているように、一人ひとりの日常の頑張りが評価されるべきものです。

その内申点を、点数での評価にすり替えるチャレンジテストは、年1回のテスト結果で、学校の内申点平均が決められ、学校の平均点が低ければ、頑張っている子にも良い成績をつけられない、いわゆる「団体戦」というひどい仕組みであることは周知の通りです。来年度はこれが、中学1年~3年の全学年で行われることになり、ますますひどい仕組みに変えられようとしています。

不公平で、各自の頑張りが反映されない「チャレンジテスト」への参加はきっぱりとやめるとともに、ただでさえテスト漬けの子どもたちにとって、さらなる負担となっている、大阪市版チャレンジテストplusもやめるべきです。

第二に、大阪市廃止ありきで、引き続き、事業や施設の民営化や統廃合を強行しようとしているからです。

まず保育所についてですが、本市の保育所待機児童の中で、障害児や医療的ケアを必要とする児童が9割と突出して多いことが波紋を広げています。どんどんと民営化を進めてきたことも大きな原因なのに、民営化方針を見直そうともせず、人件費補助の増額などでお茶を濁すやり方には、子どもの命や成長への責任感が見受けられず、残念でなりません。公立は公立としての役割をしっかりと果たすべきですし、何よりも、公民ともに、保育士の確保が肝要です。資格をもたない保育支援者の体制強化に走るのではなく、保育士たちが長く働き、十分な経験を積んでいけるように、処遇改善と職場環境の改善を、推進していくべきです。なお、今回、「保育士働き方改革推進事業」において、子育て支援員の雇用が必須条件に付されていることは、認可保育所における保育士加配に大きな制約となるため問題であると指摘いたします。

水道事業についても、市民生活に不可欠なライフラインである管路の更新を、民間に任せてしまうPFIをあくまで推進しようとしています。管路耐震化の倍速化などとしていますが、どう考えても眉唾です。結局、技術者不足など困難な課題の解決から逃げ出して、民間に丸投げしようとしているだけではありませんか。この間、公共事業をめぐって不適正と言われる事案が相次いでいます。“命の水”に何かあったら、市民生活は立ち行きません。「安全な水を安定的に供給する仕事は公営でこそ」こう願う市民の声に背を向けるPFIは断じて認められません。

天王寺動物園も、採用凍結による飼育員の高齢化や、補助金削減による獣舎の老朽化などについて、大阪市の責任は棚上げにして、独法化すれば解決するかのような安易さで、市民のレクレーションの保障のみならず、環境教育・種の保存・調査研究という動物園の持つ重大な使命を果たせるとはとても思えません。

府大と市大の統合についても、2022年度に新大学開学ありきで、学部集約やキャンパス整備は後追いで進めるという逆立ちしたスケジュールに、大学統合議論に内発性のかけらもないことが如実に表れています。唐突な提案から、森之宮にメインキャンパスを整備する方向で巨費が投じられようとしていますが、大学の将来を真剣に考えての案とは到底思えません。

いま、新型コロナウイルス感染症をめぐって、公衆衛生、医療、教育、保育などさまざまな分野で、現在の体制では対応できず、市民の健康や生活に大きな不安と混乱がもたらされることが明らかとなりました。やれ〝二重行政の解消だ〟、やれ〝民間でできることは民間で〟と、乱暴な統合・廃止・民営化で突っ走ってきたことを見つめ直すべき時です。公立病院の廃止、環境科学研究所の府との統合と地方独立行政法人化などが、今回の、PCR検査や感染者の行動履歴調査、濃厚接触者の特定、健康観察などにどんな影響を与えたのかをきちんと分析し、保健所機能と職員体制の強化に努めるとともに、大阪健康安全基盤研究所については、府・市それぞれの直営に戻すことを含めて、あるべき姿を検討することこそ求められていると申し上げておきます。

第三に、いつか来た道とも言うべき大型開発が目白押しであるなど、大阪市の行く末を誤ろうとしているからです。

本市は、かつて、景気の動向におかまいなしに様々な大型開発を行い、莫大な借金を抱え込み、市民サービスの切り捨てや職員削減など、市民と職員に大きな犠牲を強いてきました。ようやく市債を減らし、市財政にささやかながら明るいきざしが見えてきています。二度と再び、あんな失敗を繰り返してはなりません。

ところが、本予算案は、夢洲開発、なにわ筋線、淀川左岸線、うめきた2期事業など大型開発が本格化し、増嵩していく市債が、またぞろ市財政を圧迫しかねないものとなっています。リーマンショック以上の景気悪化が危惧されるなか、まさに不要・不急の大型開発はストップしなければ、かつてと同じ轍を踏むことになりかねません。

なかでも、カジノ誘致のための夢洲開発についてです。国が基本方針の策定を先送りしているにもかかわらず、大阪府・市は実施方針案を早々と策定した上、IR事業者による35年もの長期に渡る事業期間を設定しているだけでなく、自治体側の都合で契約の解除を事業者に通告した場合、自治体側が賠償リスクを負うことまで銘記されているのであり、IR誘致への執着ぶりは異常極まりないと言わなければなりません。大阪での事業を望む事業者が1者しかないなかで、ますます、事業者の言いなりになって、インフラ整備などへの公費負担がどれだけ膨らむかわかったものではありません。第一、いま、国も、そして市民のくらしもカジノどころではありません。一人、大阪府・市だけがカジノ誘致にしがみつき、夢洲開発を進めるようなことをすれば世間の笑い者です。IR誘致はキッパリと断念し、夢洲開発も中止するべきです。

なにわ筋線もいよいよ本格化しますが、わずか5分の短縮のために、総事業費3300億円をつぎ込むことは愚の骨頂であり、計画そのものを見直すべきです。淀川左岸線もしかりです。こんな不要・不急の大型開発に巨費をつぎこんでいる時ではありません。

同時に、大阪市つぶし・特別区設置の作業や議論も取りやめにすべきです。失業、倒産、内定取り消し、雇い止め、売り上げの激減など、生きることに必死な人たちにとっては、協定書の中身どころではありません。こんな時にあくまで11月の住民投票に固執するなど、市民不在の極みです。

今やるべきは、新型コロナウィルスで先行きがまったく見えない苦境にある人たちへの思い切った生活支援・営業支援です。「緊急資金」の融資条件の緩和、融資枠の拡充、申請受付や相談窓口の複数設置など経営危機に直面している中小業者への支援をはじめ、国民健康保険料や介護保険料の値下げなどなど、予算を組み替えてでも、市民の命・くらし・営業を守ることに全力をつくすよう申し上げ、予算案への反対の討論といたします。

〝いつか来た道〟 戻ってはならない      予算委員会

大阪市会は予算市会の最中です
9日は、財政総務委員会で1時間の質疑を行いました。柱は3本です。
①今後の財政運営について
消費税増税に加え、コロナウイルス感染症で先が見えないほどの経済悪化のなか、夢洲開発・高速道路など巨大開発を突き進もうとしている大阪市。
かつてバブル崩壊などによる税収の落ち込みのなか、ベイエリアや阿倍野再開発などの巨大開発にのめりこんで味わった借金地獄を忘れたのでしょうか。借金返しのために、「市民サービス切り捨て」「貴重な土地の売り飛ばし」「職員数と給与のカット」など市民と職員に犠牲を強いて、しのいでしのいでやっといま、借金返しのピークをこえました。財政に少し明るさが見え、大阪市の持つ大きな力を、自治体本来の仕事にしっかりと振り向けられる可能性が出てきています。
リーマンショックを超える景気悪化、と言われる中で巨大開発を続ければ、借金地獄の〝いつか来た道〟です。しかも、もうめぼしい土地も残っていない、これ以上職員は減らせない、市民サービスもすでに削りに削ってしまっている(塾代助成など肝入り施策は別ですが)・・・かつてのような〝金策〟さえできません。
〝いつか来た道〟を戻るわけには絶対にいかない。巨大開発をやめるとともに、もう不毛な制度いじりの場合でもありません、大阪市つぶしの議論や作業も打ち切るよう求めました。
②未利用地の「原則売却」方針について
市有地は市民の貴重な財産。しかも、代わりのきかないものです。かつては簡単には手放しませんでした。財政悪化の中で「原則売却」となり、一等地もなにもどんどん売り飛ばしました。中心部の学校を廃止して跡地を売って、タワーマンションが林立して学校不足、運動場不足という事態も引き起こしています。借金返しのピークが終わり財政に明るい兆しさえみえるなか、「原則売却」は見直すべきです。
③副首都推進局に
広報誌やホームページをつかった「特別区設置(大阪市つぶし)」の広報があまりに恣意的。まるで維新の広報。行政として酷すぎることを批判するとともに、永住外国人の方の住民投票投票権付与のために、大阪市も声を上げることを求めました。